「わにとかげぎす」第8話:隣の女 

 おそらくこの作品のヒロインになるであろう羽田さん。彼女も今までと少し違います。ていうか、僕といっしょを感じます。
 古谷作品のこれまでのヒロインたちは、すべてを受け入れ、すべてを許す母性丸出しの女の子たち。社会に適合できずにひねくれる人間たちを、社会の側に連れて行こうとする重要な存在(つまり、死ね死ね団員たちを向こう側へ参入させるための存在)でした。稲中:神谷ちよこ→僕といっしょ:小川ユキ(女性初のプロ野球選手を目指す女の子)→グリーンヒル:横田チャン→ヒミズ:茶沢さん→シガテラ:南雲さん、という系譜です(強烈な母性を持ってたのは茶沢さんですが、それをもう少しポップでカジュアルにした南雲さんは、シガテラを読んでた男子たちのハートをわしづかみしたと思われますw)。
 さて、それ以外の女の子に目を向けてみますと、僕といっしょが重要と思われます。吉田あやこと村田マリコ(一時イトキンの彼女)は、女の子の立場から向こう側を感じ取っています。吉田あやこは半分僕といっしょの主役にもなってると思いますが、「人生って何?」というコッパズカしくて青臭い質問を、コッパズカしいと自覚しながらすぐ起とイトキンにぶつけます。吉田あやこは社会の側にいながらも、向こう側に接近してきます。村田マリコは完全に向こう側の人間ながら、自己肯定(=ひねくれること)ができずに、自己否定を繰り返します。不幸の手紙の送り主が、村田マリコ的女性(と、彼が勝手に思ってるだけですが)とひと悶着あるかは今後の展開を見守りますが、羽田さんはもしかしたら吉田あやこタイプかもしれません。
 しかし、ジョーカー好きの女の子って・・・(笑)。ちなみにあのジョーカーの絵柄、ヤンマガ23号のアゴなしゲンと俺物語にも使われてて、あれはスクリーントーンなのかなって思いました。マンガ業界の方、何かご存知でしたら教えてください。

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