2006-01-01から1年間の記事一覧
・西欧近代と「江戸近代」 僕(←呉智英さんの著作に賛同することが多い)は、封建社会を成功させていた江戸社会は、西欧近代と対照的に、「江戸近代」と呼んだっていいんじゃないかと思っている。産業革命が始まるころのロンドンと人口多い都市だったっての…
今日は前述の授業で発表があったので、その際に調べたことをいくつか挙げようと思います。 自意識の二段階構造 古谷実の誠実さがよくわかる部分です。稲中の6巻「不美人」のエピソードでは、勘違いなブスの自意識過剰を描きながら、実は自分もそういった自…
学校の授業で、伊藤整の文章を読んで驚愕したので、久しぶりにブログを更新します。 「近代日本における「愛」の虚偽」というタイトルの論考なんですが、「愛」という言葉の不自然さの指摘として、伊藤整が着眼したのはキリスト教的な神の有無でした。 愛は…
ついに発売されました。表紙はキングクリムゾンみたいな表紙(!)です。気になる回を単発でピックアップしてこのブログも更新されていたわけですが、単行本で読むと、そのときには見えにくかったものがクリアに見えて、あらためてなるほどなあと思ったりしま…
「ぼのぼの」の作者によるかなりの力作。あえて「ぼのぼの」を強調したいんですが、そのイメージで見ると、ジャンルとしてはホラーに位置づけられる作品のはずなのに「ああ、これってぼのぼのっぽいなあ」って思えてきます。そう考えると「ぼのぼの」がおそ…
古谷実氏の尊敬する望月峯太郎氏の超名作、ドラゴンヘッドをこの間読み返していました。やっぱりいつ読んでもこの閉塞感はものすごいです。トンネルを出た後でも、息苦しい闇は続きます。 あ、これ以降ネタバレするかもしれませんが、未読の方、あしからず。…
タイトルはおそらく、ここでもよく取り上げられる「僕といっしょ」の中の台詞から。「ホアンホアン」はパンダではなく、主人公の切実な、でも端から見れば滑稽な不安を指しています。 主人公は、常にこの社会から疎外感を感じていて、ひねくれて物を見るくせ…
雨川くんの惚れた女性、ヤクザにレイプされたとかで弱み握られて、無理矢理そのヤクザの愛人にされているということが前回判明。その女性がヤクザの手から逃れるために、ヤクザの部屋に保管されている金庫(雨川くんの好きな女性を含む、多くの被害者のレイ…
だ・・・・だけどね・・・さすがにこんな男でも最近よーやく“これじゃダメだな”“これじゃその辺の石コロ大して変わらない生涯だな!”と思うようになって・・・・変わろうと決意したんです!孤独を罪ととらえ・・・・今までの不誠実を一気に清算してやろうと!いずれ俺は革命…
ハーモニーそのものが実はグルーヴなんだ、と気付いてしまいました。そう思うと、今までどうしてこのことに気付かなかったかが不思議なくらい。この話はいずれ・・・
「あんにょんキムチ」に続く在日モノドキュメンタリー・・・かと思いきや、まあ確かにそうなんですが、韓国系日本人とか在日とかってこと以前に「家族」の問題を感じました。アダルトビデオの世界にいる韓国系日本人、3世の女優さんと、2世の名男優:花岡…
おそらくこの作品のヒロインになるであろう羽田さん。彼女も今までと少し違います。ていうか、僕といっしょを感じます。 古谷作品のこれまでのヒロインたちは、すべてを受け入れ、すべてを許す母性丸出しの女の子たち。社会に適合できずにひねくれる人間たち…
どうも似たようなことばかり繰り返してしまうので、もう少し動きがあってから書こうと思っています。ただ、少しメモ書きとして、なんとなく気になったことを書いておきます。 絵が「すごい居そう」な人から、コミカルな感じになってきてること。稲中以来、も…
無自覚なままに日本人に帰化させられ、小さい頃から日本人として生きてきた松江氏が、韓国系日本人という自身の立場を考え出した、というドキュメンタリー作品です。松江氏は、それまで「韓国」をことさら強調して生きてきたわけじゃない模様。韓国系だから…
わにとかげぎすの連載についてはまだもう少し遅らせます。結構似たようなことを反復して言ってしまってる気がするので、他のことを書いたりしながら幅を広げようと思います。 さて、「松子」です。映画の持つグロテスクなポップさ(ゴスロリとかパンクスとか…
唐突だが、虚飾を暴こうという古谷実のスタンスは、実は稲中後期の時点で既に崩れ始めていたことに気づいた。「死ね死ね団」という活動によって、前野や井沢がやっていたことはなんだったのか。それは一言で言ってしまえば、ラブコメという虚構の世界に憧れ…
古谷実の描くヤクザってすごくカッコいい!!冷静かつ倫理的、なのに反社会的っていう多分古谷実の「こんな男になりたい」が詰まってるように見えます。 前作シガテラの谷脇なんてものすごくかっこいい男でした。誰にも媚びず、何事にも動じず、そしてギャグセ…
連休を挟んだため、一週間置いての連載。扉絵がまたすごいです。りんごにひとつ目があって、ほとんどプログレッシブロックのジャケットみたいになってます。 「男の一生は過酷だ・・・・闘わなけりゃ死人扱い・・・・油断をしたら すぐさま攻撃を受ける・・…
前回の書きかけの続きからはじめます。(後日加筆予定) カミというのは人間のコントロールのきかない部分、つまり人智を超えたものです。だから、人間の利益などとは全く無関係に存在しています。カミは自然現象ばかりを指すのではなく、人間の内側に存在す…
この文章は書きかけです 今回のあらすじは割愛。てかこれからは書くの止めますね、ネタバレするし。 ヒミズに出てきたバケモノってのは、「運命」=「人智を超えた何か」=一つ目の「バケモノ」って流れだったと思うんですが、わにとかげぎすの手紙ってのも…
小さい頃からずっと孤独を愛していたはずなのに、ある日突然寂しさに耐え切れなくなった男、富岡ゆうじ君。ついに孤独を捨てて外の世界にいこうと決意した矢先、彼は不吉な手紙を受け取る。「警備員へ お前は一年以内に頭がおかしくなって死ぬ」。孤独な世界…
ニートという言葉を聞くと、古谷実作品の主人公達を考えてしまいます。 僕個人としては、ニートという言葉にネガティブなものは何一つ感じません。でも、ニートになったら親は泣くだろうな、とは感じますw。でも実際、頑張るということは良いことなのか?仮…
連載第二回目です。だんだん古谷実作品のリズムが出てきました。主人公の名前も判明。富岡ゆうじ君(32)だそうです。 前回までのあらすじはこちらへ。わにとかげぎすとアメリの共通点についても書いてます。 さて今回。小さい頃からずっと孤独を愛していたは…
さて第一回目。バイト先で手に入るにも関わらず、バイトまで待ちきれずにヤンマガを買いにいってしまいました(失笑)。ちょっとだけ内容を説明します。 今回のわにとかげぎすの主人公は、思わず流れ星に「友達が欲しい」と祈るほど、強烈に孤独を感じていま…
今週のヤンマガに予告がありました。「世間から置いてけぼりくらった人たちが、なんとか人並みになろうと勝負するお話」とのこと。短編orマルチスレッド形式なのかな?とにかく、初回に出てくるのは、無味乾燥な毎日を送る32歳・独身の警備員だそうな。なん…
まあ前の日記にも書いたけど、僕といっしょの村田マリコとイトキンのような関係が克明に描かれたらいいな、と思ってます。メインに置かれるかサブに置かれるかはどっちでもいいんだけど。とにかく「みんな孤独なのに、どうしていっしょにいるんだろう」って…
死ね死ね団員が「愛してる」と言うまでには(あるいは言ってからも)、非常に厳しい葛藤があります。前述の通り団員は自分をさらけ出すことに強い恐怖を持っています。そしてまた同時に、恋愛とは、弱い・かっこ悪い・恥ずかしい自分を相手に見せるものだか…
僕は「素の部分」を見せることを嫌います。何かに本気で取り組むことは怖いです。本気の部分で勝負して失敗したら、すんごく痛いです。まあたとえば完璧でカッコイイ人が、人前でコケただけで笑われるってのとおんなじですね。だから、本気じゃない部分でそ…